杜の樹神(もりのこだま)4月号~初めての青山葬を厳修しました

初めての青山葬を厳修しました

 青山葬は山の中に散骨をする自然葬です。

 散骨というと、亡くなった人の遺骨を保持管理するのは大変だから、放り捨てるようにばらまくことと考えている方がいるようですが、江岩寺ではそのように考えてはおりません。

 伝統的な寺院の佛教では、大自然が時節の折々に常に変化を遂げてはいくものの、見た目が変わるだけで、自然という本体は常に存在しているという事実から、世の中のありようは輪廻転生が繰り返されているのだ……と考えてきました。

 という大筋の考え方から、人の死後にも輪廻転生を考えました。

 また、その昔、人が無くなると、百万憶土の遠くの浄土ではなく裏山の麓に葬った仲間の魂は裏山へとのぼり、そこが身近な浄土として考えられもしました。

 

 わが国で、山や森が大切にされてきたのは、生きてゆくのに必要なものを供給してくれた里山だったからだけではなく、祖霊まします鎮守の森を聖域として大事にしていたからでもあるようです。聖域ですからそのサカイには、常緑樹が植えられてサカイの木…榊(さかき)となりました。聖域ですから手を付けることはなく聖域は極相林となり鎮守の森となりました。神社の森はこのようにしてできました。

 青山葬の儀式は江岩寺本堂で厳修しました。青山葬は宗派宗教を問わないことから、御経は読まないで、古い大和言葉を盛り込んで儀式としました。お供えは海のもの・山のもので供物としました。

 真前には、榊・樒(しきみ)・椎(しい)を備えて供花としました。榊は神前に備えます。樒(しきみ)は仏前に供えます。椎は青山葬が厳修される地元大山の神木です。大山地区では、門松をたてずにシイノキを飾ります。

 今回の青山葬は三家族九体の遺骨でした。住職と寺庭のみが禁断の地に入り、真言呪文とともに、大自然の森に還っていただき、永代供養となりました。

洞雲山 江岩寺(臨済宗妙心寺派)

江岩寺は、愛知県小牧市北東部丘陵地帯の大山区に位置しており、緑豊かな自然環境のなか小牧市最高峰、標高約300mの天川山を背景にして静かに佇む山寺です。 山の中腹に大山寺塔跡、兒神社(ちごじんじゃ)不動堂、 そしていくつかの古墳、麓に江岩寺と薬師堂があり、 これらが連なる開析谷一帯は国の史蹟に指定されています。